2020/04/17

紙つなげ!

 今、「紙つなげ!彼らが本の紙を造っている:再生・日本製紙石巻工場」という本を読んでいます。以前に発売されていたのは知っていたのですが、先月書店で文庫本を見かけたので即買いしました。この本は、東日本大震災の時に大津波の被害を受けた日本製紙 石巻工場の復興までに至るエピソードを綴ったノンフィクションとなっています。



 日本製紙は国内の出版用紙の約4割を担っており国内の出版を支えている会社です。この本の舞台である石巻工場は、広さ1万平方メートル(約33万坪、東京ドーム23個に相当)で、震災前の総生産量は年間100万トン。日本製紙全体の 1/4を供給してきた基幹工場でした。また、石巻工場では他の日本製紙の工場でしか抄造できない文庫本や単行本の紙もつくられていました。

 文庫本はヒットすれば数万から数百万になる出版社の顔とも言えます。ヒットすれば、どんなことがあっても紙を切らすことが出来ません。「ちょっと待ってください」とは言えないそうです。だから、出版社と製紙会社は絶対的な信頼関係の上に成り立っています。製紙会社では「文庫本を頼む」と言われた瞬間は「何があってもやる。何があっても紙は供給し続けるんだ」と覚悟するそうです。

 被害にあった当初は誰もが石巻工場の再生を諦めたそうですが、出版文化を支えているという自負の念あるいは責任感といったものがエネルギーとなって石巻工場は見事に復興を果たしました。復興までに至る過程が書かれている本書は紙や抄造に関する知識もちりばめられておりお薦め本です。

 私共も各メーカー様の多くパッケージ印刷を請け負っています。出版物とボリュームは違いますが、それでも各顧客の製品を一部で支えているという自覚と自負は持ち合わせています。お客様の依頼で納品を間に合わせるために「何があっても間に合わせる」という覚悟もします。そのためにはお客様との信頼関係を大事に培っていきたいと常々考えております。(F)



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